この記事の結論

ヒューマノイドロボットのハードウェアエンジニアは、関節機構・アクチュエータ・構造フレーム・センサー統合など人型ロボットの「身体」を設計する職種です。業務は機構設計、アクチュエータ選定、FEAによる構造解析、熱設計、EMC設計、量産設計(DFM)まで多岐にわたります。産業用ロボットの教示・検査業務には労働安全衛生規則第36条に基づく特別教育が必要になる場合がありますが、研究開発中の機体は適用除外となる点に注意が必要です。年収は厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の職種区分「機械技術者」で企業規模計約659万円、1,000人以上企業で約746万円という統計値が参考になります(ヒューマノイド専用の職種区分は存在しません)。

ヒューマノイドロボットのハードウェアエンジニアとは

ヒューマノイドロボットのハードウェアエンジニアは、人型ロボットの「身体」にあたる物理的な構造を設計・開発する職種です。骨格となるフレーム、関節機構、アクチュエータ(駆動装置)、各種センサーの実装、筐体設計、ケーブルルーティングなど、ロボットの本体そのものに関わるエンジニアリング全般を担います。

ソフトウェアがロボットの「頭脳」だとすれば、ハードウェアは「身体」にあたります。どれほど高度な制御アルゴリズムや学習モデルを実装しても、身体側が物理的な負荷や精度に耐えられなければ動作は成立しません。人型ロボットの開発では、限られた重量・体積の中に関節・配線・電子部品を収め、人間の生活環境で安全に動作させるための機構設計力が求められます。2025年後半以降、ヒューマノイドロボット各社がハードウェア部門の体制を拡充する動きが報じられており、AI・制御ソフトウェア偏重だった開発の重心が、再び身体側の設計に戻りつつある時期にあります。

この記事で扱う4つの軸

①機構設計・アクチュエータ選定・構造解析・熱設計・EMC設計という業務内容の全体像、②CAD・FEAなど日常的に使うツールと求められるスキル、③厚生労働省の公的統計に基づく年収水準(統計の職種区分をそのまま使用し、独自の数値は作りません)、④産業用ロボットに関わる際に必要になり得る法定の特別教育、という4つの軸で整理しています。企業固有の採用条件や架空の社員インタビューは扱わず、公式情報で確認できる範囲にとどめます。

仕事内容:機構設計からアクチュエータ選定、構造解析・熱設計・EMC設計まで

ヒューマノイドロボットのハードウェアエンジニアの業務範囲は、企業の規模やフェーズによって幅があります。スタートアップでは機構設計から解析、試作評価までを一人が横断的に担当することが多く、大手メーカーでは機構設計・アクチュエータ設計・構造解析・熱設計などが専門チームに分かれているのが一般的です。以下では代表的な業務領域を分けて説明します。

機構設計:関節・自由度・フレーム構造

人型ロボットの機構設計では、人間の身体構造を参考にしながらも、製造性・コスト・耐久性・制御の複雑さを踏まえた独自の設計判断が求められます。関節ひとつをとっても、可動範囲(自由度)を増やすほど人間に近い滑らかな動作が可能になる一方、部品点数・重量・制御負荷・コストが比例して増えるため、対象とする作業内容に応じてどこまでの自由度を持たせるかを見極めるのが設計者の腕の見せどころです。首・肩・肘・手首・腰・股関節・膝・足首といった部位ごとに、必要な可動方向(ピッチ・ヨー・ロール)を絞り込み、機構的な制約とのバランスを取っていきます。

フレーム(骨格)は、すべてのコンポーネントを支えながら歩行時・作業時の荷重や衝撃に耐える構造体です。設計では、剛性(特に股関節・膝関節まわりの高い剛性)、軽量性(バッテリー持続時間とアクチュエータ負荷の両面に効く)、転倒時の衝撃からコンポーネントを守る耐衝撃性、量産・保守を見据えたモジュール交換のしやすさ、そして関節をまたいで数十本の電力線・信号線を通すケーブルルーティングの空間設計を同時に満たす必要があります。

アクチュエータの選定と設計

アクチュエータはロボットの「筋肉」にあたる駆動装置で、駆動方式には電動(モーター駆動)、油圧、空圧があります。電動は制御精度と保守性に優れ、油圧は高い出力密度を持つ一方で油漏れなどの保守負荷があり、空圧は構造が簡素な反面、精密な位置制御には向きません。それぞれ得意・不得意が異なるため、用途に応じた選定が必要になりますが、どの方式が「業界標準」かは製品・時期によって変わるため、本記事では特定企業の採用実績を数値化しては示しません。

電動アクチュエータを設計する場合、モーター・減速機・エンコーダ・トルクセンサー・ドライバを一体のパッケージとして組み合わせる設計になります。モーターはブラシレスDCモーター(BLDC)が広く使われ、減速機はハーモニックドライブ(高精度・ゼロバックラッシュだが高コスト)、サイクロイド減速機(高トルク・コンパクト)、遊星歯車(比較的低コスト)などから用途に応じて選びます。関節角度を計測するエンコーダ、力制御に使うトルクセンサー、モーターを高効率に駆動するドライバ(FOC制御が一般的)を組み合わせ、上位コントローラとはCANやEtherCATなどの産業用通信規格でつなぐ設計が主流です。市販アクチュエータを組み合わせる企業もあれば、モーター設計から自社で手がける企業もあり、どちらのアプローチを取るかは各社の開発方針によります。

構造解析(FEA)

フレームや関節部品の設計では、FEA(有限要素解析)による構造解析が欠かせません。静荷重・衝撃荷重・繰り返し荷重による疲労寿命をシミュレーションし、必要な強度を保ちながら不要な材料を削って軽量化する、というプロセスを繰り返します。試作して壊れてから直すのではなく、解析の段階で設計の当たりをつけておくことで、試作・評価にかかる時間とコストを圧縮するのがFEAの役割です。ANSYSやAbaqusといった汎用の構造解析ソフトウェアが広く使われています。

熱設計

アクチュエータやバッテリー、制御基板は動作中に発熱します。特に関節部のモーターは、狭い筐体の中で連続的にトルクを発生させるため、放熱が不十分だと出力が制限されたり、部品寿命が縮んだりします。熱設計では、発熱源の配置、放熱経路(ヒートシンクや筐体への熱伝導)、必要に応じた強制空冷・液冷の検討、温度センサーによる過熱保護のロジックまでを一体で設計します。機構設計・電気設計と並行して詰めていく必要があるため、単体の専門知識というより機構・電気の両方を理解したうえで調整する能力が求められる領域です。

EMC設計(電磁両立性)

ロボットの内部には、モーター駆動用のパワー回路、多数のセンサー、無線通信モジュールなどが密集して配置されます。モーターのスイッチングノイズがセンサー信号や通信に干渉したり、逆に外部からのノイズで誤動作したりしないようにする設計がEMC(電磁両立性)設計です。具体的には、ノイズ源となる配線とセンサー配線の分離、シールドやフィルタの適用、筐体・基板のグラウンド設計などが実務上のポイントになります。機構設計者が電気設計者と連携しながら、ケーブルの取り回しや筐体構造の段階でノイズ対策を作り込んでおく必要があります。

機構と電気の境界がなくなる領域

EMC設計は電気系の知識が中心になりますが、実際の対策(配線の物理的な分離、シールド材の配置、筐体構造への落とし込み)は機構設計と切り離せません。ハードウェアエンジニアが機構だけでなく電気・EMCの基礎を理解していると、設計の後戻りを減らせる領域です。

素材選定と量産設計(DFM)

フレームや外装に使う素材は、軽量性・強度・コスト・加工性のバランスで選びます。一般的な傾向として、アルミ合金は加工性と強度のバランスに優れ構造部材によく使われる、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)は比強度が非常に高いが加工に特殊な工程を要する、チタン合金は強度に優れる一方で加工が難しくコストも高い、エンジニアリングプラスチックは軽量・低コストでカバー類に向く、といった特性の違いがあります。どの素材を使うかは部位ごとの要求性能とコスト許容度によって決まるため、一律の「best」は存在しません。

試作段階ではCNC切削加工や3Dプリント(金属・樹脂とも)が主に使われますが、量産段階ではアルミダイキャストや射出成形、板金加工など、まとまった数量で単価が下がる製法へ切り替える設計変更が必要になります。試作用の設計をそのまま量産に移せることは少なく、量産を見据えた設計(DFM: Design for Manufacturing)への「落とし込み」ができるかどうかが、ハードウェアエンジニアの実務上の評価ポイントの一つになります。自動車・家電など量産設計の経験がある人材は、この落とし込み能力を評価されてロボティクス業界に転職するケースが多く見られます。

必要なスキルとCAD・解析ツール

ハードウェアエンジニアが日常的に使うツールは、3D CAD・FEA解析ソフトウェアが中心です。企業の規模やこれまでの業界(自動車系か、スタートアップ系か)によって使用ツールの傾向が異なります。

3D CAD・解析ツール

カテゴリ代表的なツール傾向
3D CADSolidWorks/CATIA/OnshapeスタートアップではSolidWorksやクラウドCADのOnshape、自動車メーカー系の大手ではCATIAが使われる傾向があります
FEA(構造解析)ANSYS/Abaqus強度・熱・疲労解析に使う汎用ソフトウェア
動力学シミュレーションADAMSなど関節を含む多体系の動きをシミュレーションする用途で使われます
PLM(部品・図面管理)Teamcenter/Windchillなど部品点数の多い大手メーカーで導入されている傾向があります

いずれの環境でも、寸法を変数として管理し設計変更を効率化するパラメトリック設計のスキルはほぼ必須です。CADソフトの選定基準に迷う場合は、志望する企業の規模や出身業界(自動車系か、クラウドツールに慣れたスタートアップ系か)を確認するとよいでしょう。

周辺分野の知識(制御・電気・安全設計)

機構設計が専門であっても、モーター制御の基礎、EMCの基礎、労働安全衛生の基礎知識があると、電気設計者・制御エンジニアとの連携がスムーズになります。特にロボットの制御ソフトウェアとの接点になるROS2の概要を把握しておくと、ソフトウェアエンジニアとの意思疎通がしやすくなります。ソフトウェア側の職種との違いはヒューマノイドロボットのソフトウェアエンジニア|ROS2で詳しく解説しています。

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資格と法定教育の位置づけ

ヒューマノイドロボットのハードウェアエンジニアになるために法律で義務づけられた国家資格は存在しません。機械系・電気系の工学部を卒業していなくても、実務経験や社内研修を通じて機構設計に携わっている技術者は多くいます。一方で、実機を扱う業務の一部には、資格ではなく法令上の「特別教育」が必要になる場面があります。

産業用ロボットの「教示等」「検査等」には特別教育が必要

労働安全衛生規則第36条は、労働安全衛生法第59条第3項に基づき、特別教育(事業者が行う安全衛生教育)を必要とする危険・有害業務を列挙しています。このうち第31号は、マニプレータと記憶装置を持ち、記憶した情報に基づいて自動的に動作する機械(同条文では「産業用ロボット」と定義)の可動範囲内で行う「教示等」(動作の順序・位置・速度の設定・変更・確認)の業務を、第32号は同様に可動範囲内で行う「検査等」(検査・修理・調整・その結果の確認)の業務を、それぞれ特別教育の対象としています。

「研究開発中のもの」は条文上の適用除外

労働安全衛生規則第36条第31号が定める「産業用ロボット」には、条文中に「研究開発中のものその他厚生労働大臣が定めるものを除く」という除外規定があります。つまり、量産・実用化前の試作機(プロトタイプ)を研究開発目的で教示・検査する業務は、この条文が定義する「産業用ロボット」には該当しない可能性があります。ヒューマノイドロボットの開発現場でどこまでが「研究開発中」に該当するかは、個別の業務内容や事業者の労働安全衛生管理体制によって判断が分かれるため、実際の適用可否は事業者が労働基準監督署や専門家に確認すべき事項であり、本記事はその判断を断定しません。量産機・実用機の教示・検査業務に従事する場合は、特別教育の対象になり得る点を踏まえておく必要があります。

また同規則第150条の3・第150条の5は、産業用ロボットの可動範囲内で教示等・検査等の作業を行う際に、不意の作動や誤操作による危険を防止するための具体的な措置(起動スイッチの施錠、作業中である旨の表示など)を事業者に義務づけています。ハードウェアエンジニアが実機のテスト・デバッグを行う際は、こうした安全管理の枠組みの中で作業する必要があります。

設計業務そのものに必須の国家資格はない

機構設計・CAD操作・FEA解析そのものを行う業務に、電気工事士のような法定の独占資格は設けられていません。採用選考では、大学での工学系の学位や、前職での3D CAD・FEAの実務経験、担当した製品の設計事例(守秘義務の範囲内で説明できるもの)が評価の中心になります。特定の民間資格の有無が採用の必須条件になっているかどうかは企業ごとの求人票で確認する必要があり、本記事では一律の基準として断定しません。

自動車・航空宇宙業界からの転職ルート

ヒューマノイドロボットのハードウェアエンジニアの多くは、自動車・航空宇宙・産業機械・家電など隣接業界からの転職者です。これらの業界で培った機構設計・構造解析・量産設計のスキルは、ロボティクス業界でもそのまま生かせる部分が多くあります。

転用できるスキルと埋めるべきギャップ

前職の経験ロボティクスでの活用追加で学ぶとよい領域
自動車の車体・シャシー設計フレーム構造設計、FEAによる強度解析関節機構特有の設計、アクチュエータ選定
パワートレイン設計アクチュエータ・減速機の設計ロボット制御ソフトウェアとの連携(ROS2の概要)
航空宇宙の軽量構造設計CFRP・チタンなど軽量素材の構造設計量産コストを意識した設計への切り替え
家電・産業機器の量産設計DFM(量産設計)、コスト管理人型ロボット特有の運動学・安全設計

特に自動車業界で量産設計を経験したエンジニアは、ロボティクス企業から高く評価される傾向があります。量産化のフェーズに入るヒューマノイドロボット企業が、自動車業界出身の設計者を積極的に採用しているという報道は複数の媒体で見られますが、個社の採用実績を人数や比率で断定できる公的統計は存在しないため、本記事では傾向として述べるにとどめます。

転職準備で確認しておきたいこと

ポートフォリオの準備では、守秘義務の範囲内で、担当した製品のスペックや設計思想を説明できるように整理しておくと選考で役立ちます。ロボティクス固有の知識(運動学の基礎、アクチュエータの基本原理、ROS2の概要)は、入社後のOJTで補える企業も多いため、応募前に完璧に身につけておく必要はありません。個人でロボットアームなどの実機に触れて機構改造を試す、業界の展示会に参加してネットワークを作るといった準備も、選考時のアピール材料になり得ます。

年収水準:厚生労働省の統計から言えること

「ヒューマノイドロボットのハードウェアエンジニア」という統計区分は存在しません

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」の職種分類には、ヒューマノイドロボット専用の区分はありません。以下では、この調査の職種(小分類)区分「機械技術者」(自動車・産業機械なども含む、機械設計・開発に従事する技術者全般の区分)の実数を、統計の定義どおりに参考値として示します。ヒューマノイドロボット業界固有の年収として読み替えるものではない点にご注意ください。

厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の職種(小分類)別データによると、「機械技術者」の平均年齢は42.3歳、平均勤続年数は15.0年、月あたりの「きまって支給する現金給与額」(所定内給与+残業代等)は421.4千円、年間賞与その他特別給与額は1,533.6千円でした(企業規模10人以上・産業計、労働者数395,820人)。これを年収の目安として「きまって支給する現金給与額×12か月+年間賞与その他特別給与額」で試算すると、約659万円になります。

企業規模別の水準(機械技術者)

企業規模きまって支給する現金給与額(月額)年間賞与その他特別給与額試算年収
企業規模計(10人以上)421.4千円1,533.6千円約659万円
1,000人以上465.5千円1,869.2千円約746万円
100〜999人390.7千円1,415.1千円約610万円
10〜99人363.4千円893.0千円約525万円

試算年収は「きまって支給する現金給与額×12か月+年間賞与その他特別給与額」で機械的に計算した参考値であり、企業が公表する初任給・提示年収そのものではありません。個別の求人が提示する年収は、必ず求人票・オファーレターの記載で確認してください。

年齢階級別の水準(機械技術者)

同調査の年齢階級別データ(企業規模計・産業計)を見ると、経験年数が増えるにつれて水準が上がっていく傾向が見えます。

年齢階級きまって支給する現金給与額(月額)年間賞与その他特別給与額試算年収
20〜24歳273.7千円577.0千円約386万円
25〜29歳335.0千円1,033.1千円約505万円
30〜34歳382.0千円1,335.5千円約592万円
35〜39歳435.3千円1,625.5千円約685万円
40〜44歳463.9千円1,818.6千円約739万円
45〜49歳486.1千円1,916.0千円約775万円
50〜54歳500.5千円2,047.4千円約805万円
55〜59歳521.7千円2,161.1千円約842万円

この年齢階級別の数値は、同じ人が昇給しながらキャリアを積んだ推移ではなく、令和7年時点で各年齢層に属する労働者を横断的に集計した数値である点に注意してください。個人の年収がこの通りに推移することを保証するものではありません。

隣接する職種区分との比較

同じ調査の職種(小分類)には、自動車・航空宇宙分野のハードウェアエンジニアに近い「輸送用機器技術者」、電気駆動系やセンサー回路の設計に近い「電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く)」という区分もあります。参考として企業規模計の数値を示します。

職種(小分類)きまって支給する現金給与額(月額)年間賞与その他特別給与額試算年収
機械技術者421.4千円1,533.6千円約659万円
輸送用機器技術者447.6千円1,882.3千円約725万円
電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く)448.6千円1,656.2千円約704万円

いずれも統計上の職種区分の実数であり、ヒューマノイドロボット業界だけを対象にした数値ではありません。ソフトウェア側の職種の年収傾向はヒューマノイドロボットエンジニアの年収水準、業界全体の職種別ランキングはロボット業界の職種別年収ランキングで別途整理しているので、重複する一覧はそちらを参照してください。

ヒューマノイドロボットのハードウェア開発に携わる企業

ヒューマノイドロボットのハードウェア開発を手がける企業は、海外のロボティクス専業スタートアップから、自動車・重工業・電機など日本の大手メーカーまで幅広く存在します。各社の採用実績や募集人数を横断的に集計した公的統計はないため、本記事では特定の求人条件を断定せず、公式サイトで実在を確認できる企業の例と、その分野を深掘りした関連記事へのリンクにとどめます。

海外のロボティクス専業企業としては、二足歩行ロボットAtlasの開発元であるBoston Dynamics(公式採用ページ)、ヒューマノイドロボットを開発するFigure AI(公式採用ページ)などが、自社サイトでハードウェアエンジニア職の採用情報を公開しています(2026年9月16日確認)。日本国内では、自動車・電機・重工業の各社がヒューマノイドロボット関連の開発体制を持っており、個社ごとの取り組みはトヨタ自動車のヒューマノイドロボット関連キャリア川崎重工業のロボット関連キャリアホンダのASIMO・アバターロボット関連キャリアで個別にまとめています。

求人条件は個社の公式情報で確認する

採用の有無、募集人数、提示年収、必要な経験年数はいずれも企業・時期によって変わります。本記事や関連記事で企業名を挙げているのは「実在するハードウェア開発企業の例」を示すためであり、常時募集していることや、特定の待遇を保証するものではありません。応募を検討する際は必ず各社の公式採用ページで最新の募集要項を確認してください。

キャリアパスとリモートワークの実情

ハードウェアエンジニアのキャリアは、専門性を深める方向(機構設計のスペシャリスト、アクチュエータ設計のスペシャリストなど)と、マネジメントに広げる方向(複数チームを統括する設計リード、量産立ち上げの責任者など)の両方に展開し得ます。どちらに進むかは本人の志向と、所属する企業の組織体制によって変わるため、一律の年数・等級で示すことはしません。より詳しいキャリアの積み上げ方はヒューマノイドロボットエンジニアになるためのロードマップ、保守・メンテナンス方向へのキャリアはヒューマノイドロボットのメンテナンス職としてのキャリアも参照してください。

リモートワークの可否については、CAD設計やFEA解析そのものは社外からでも行えますが、試作品の組立・評価・テスト、量産立ち上げ時のサプライヤーとの折衝など、実機に触れる工程は現場での作業が避けられません。設計の上流工程(コンセプト設計・仕様検討)はリモート比率を確保しやすく、試作・量産立ち上げなど下流工程は出社比率が高くなる、という傾向は多くのハードウェア職種に共通しますが、実際の勤務形態は企業ごとの制度によるため、応募先の求人票・面接で個別に確認することをおすすめします。

出典・参考情報

  • 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2025/index.html、2026年9月16日確認)
  • 政府統計の総合窓口e-Stat「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」(統計表ページ、2026年9月16日確認)
  • 政府統計の総合窓口e-Stat「令和7年賃金構造基本統計調査 職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」(統計表ページ、2026年9月16日確認)
  • e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」(昭和47年労働省令第32号)第36条第31号・第32号、第150条の3、第150条の5(https://laws.e-gov.go.jp/document?lawid=347M50002000032、2026年9月16日確認)
  • Boston Dynamics「Careers」(https://bostondynamics.com/careers/、2026年9月16日確認)
  • Figure AI「Careers」(https://www.figure.ai/careers、2026年9月16日確認)

最終更新日: 2026年9月16日。年収の統計値は令和7年(2025年)調査時点のものであり、以降の調査で更新される場合があります。試算年収は「きまって支給する現金給与額×12か月+年間賞与その他特別給与額」による参考値で、個別企業の提示年収を保証するものではありません。産業用ロボットの特別教育の要否は個別の業務内容によって判断が分かれるため、実務上は事業者・労働基準監督署にご確認ください。